まだまだ使える(?)フォーサーズレンズが登場です。
今回はZD9-18mmの歪曲収差を測定してみました。
このレンズは一眼レフカメラ向けの「フォーサーズ規格」(ZD)の9-18mmです。
ミラーレスカメラ向けの「マイクロフォーサーズ規格」(MZD)の9-18mmとはレンズ構成から異なります。
使用したボディのE-M1はZDレンズのデータを収録しているため、色収差補正を自動で適用します。
・・・が、どうもMZDレンズと違って歪曲収差は補正しないようでした。(なぜセットでやってくれないのだろうか・・・?)
ところが、RAW現像ソフトの「OM Workspace」から「歪み補正」(自動)を適用すると補正されるようでした。
そのため、ここでは補正前と補正後の撮影結果を両方掲載しています。
使用した方眼はコレ↓
広角端付近の焦点距離では撮影距離が非常に短くなるためアウトフォーカス気味です。
結果は以下の通り。
ボディ内現像 | |||
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強化イメージ(リサイズなし) | 枠ナシ(リサイズなし) | ||
9mm | ![]() | ![]() | |
11mm | ![]() | ||
14mm | ![]() | ||
18mm | ![]() | ![]() |
OM Workspaceから「歪み補正」(自動)を適用 | |||
---|---|---|---|
強化イメージ(リサイズなし) | 枠ナシ(リサイズなし) | ||
9mm | ![]() | ![]() | |
11mm | ![]() | ||
14mm | ![]() | ||
18mm | ![]() | ![]() |
早見表・ボディ内現像 | |
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9mm | ![]() |
11mm | ![]() |
14mm | ![]() |
18mm | ![]() |
早見表・OM Workspaceから「歪み補正」(自動)を適用 | |
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9mm | ![]() |
11mm | ![]() |
14mm | ![]() |
18mm | ![]() |
カメラボディは E-M1。F16、ISO自動。
GIMP2.8で編集。強化イメージは「しきい値」で作ったもの。枠ナシはJPEG品質50。
強化イメージでは赤・緑・青の直線で四角形の頂点を結んであります。
赤枠は最も外側、緑枠は水平解像度の2/3程度、青枠は垂直解像度の2/3程度の四角形になります。
罫線が枠の外側にまではみ出していればタル型、枠より内側に引っ込んでいれば糸巻型の歪曲収差があります。
9mm ・・・ 大きな樽型収差
11mm ・・・ 9mmから改善するも樽型収差
14mm ・・・ 11mmから改善するも樽型収差
18mm ・・・ 14mmから改善するも小さな樽型収差
OMW適用 ・・・ どの焦点距離でもほぼ完全に補正
おそらくは2群ズームの構成なので、予想通りの素直な特性です。望遠端で歪曲収差は最小になります。
「OM Workspace」からデジタル補正をかければ簡単に収差を取り除くこともできます。
もしこのレンズを使う機会があるならRAWで記録することが望ましいでしょう。
周辺部(水平解像度の2/3より外側)の写りがかなり悪いので今から買うことはオススメしませんが、
フォーサーズレンズユーザーに対するOlympusの姿勢は高く評価できそうです。