Canon EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM 【お手軽!!歪曲収差検証】
やっぱりデジタル補正はスゴかった(結論)
今回はEF-S18-55mmの歪曲収差を測定してみました。
このレンズではデジタルレンズオプティマイザ(DLO)が使用できるため、
補正前のデータと補正後のデータの両方で歪曲収差を調べることにしました。
ただし、18/24/30/55mmの全部を掲載するとページが重くなる(16MBくらい)ため、
今回は18mmと55mmの2つの焦点距離での補正結果のみを掲載しています。
なお、DLOの適用は以下の通り。
・ デジタルレンズオプティマイザ 50
・ 色にじみ ON
・ 周辺光量100
・ 歪曲 100
使用した方眼はコレ↓
今回は18mmでもAFで撮影できました。
結果は以下の通り。
補正なし | |||
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強化イメージ(リサイズなし) | 枠ナシ(リサイズなし) | ||
18mm | |||
24mm | |||
30mm | |||
35mm | |||
55mm |
DLO適用 | |||
---|---|---|---|
強化イメージ(リサイズなし) | 枠ナシ(リサイズなし) | ||
18mm | |||
55mm |
早見表・補正なし | |
---|---|
18mm | |
24mm | |
30mm | |
35mm | |
55mm |
早見表・DLO適用 | |
---|---|
18mm | |
55mm |
カメラボディは EOS 7D。ISO1600、F22。
GIMP2.8で編集。強化イメージは「しきい値」で作ったもの。枠ナシはJPEG品質50。
強化イメージでは赤・緑・青の直線で四角形の頂点を結んであります。
赤枠は最も外側、緑枠は水平解像度の2/3程度、青枠は垂直解像度の2/3程度の四角形になります。
罫線が枠の外側にまではみ出していればタル型、枠より内側に引っ込んでいれば糸巻型の歪曲収差があります。
18mm ・・・ タル型収差
24mm ・・・ 18mmから少し良くなるが、タル型収差
30mm ・・・ わずかなタル型収差
35mm ・・・ ほぼなし
55mm ・・・ ほぼなし
DLO適用 ・・・ ほぼ完璧
広角端・望遠端でともに鏡筒が伸びることから、おそらくは2群ズーム(の改良型)と思われますが、
歪曲収差は十分に補正されており、DLOなしでも悪くない結果ではないかと思います。
お値段を考えるとまさしく「驚異的」と言えますが、ここにDLOが加わるわけですからこれはもう「鬼に金棒」です。
キットレンズであることから希少なわけでも貴重なわけでもありませんが、これは非常に良いレンズと思います。
( マウントがプラ製なのが玉に瑕ですが・・・ )
もっとも、物理的な問題である「開放絞りがF3.5-5.6と暗い」という点はDLOではどうにもなりません。
「 EF-S17-55mm F2.8 IS USM 」 というそれさえ克服したスーパーマシーンも存在しますが、
残念ながらアチラは中古でも5万円くらいするため、財布とよく相談しなくてはなりません・・・。
収差より明るさ、というような状況ではDLOの使えないSIGMAやTAMRONに出番がありそうです。
総括すると、①被写体ブレの心配がない、②被写体が十分に明るい、③ズーム倍率が小さくてもいい、
という3つの条件が揃う条件下ではベストチョイスと思います。
後継モデルとして「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」というのもあるらしいので要チェックですね。
■更新履歴
・ 2022,12,20
ページが重そうだったので「枠あり」を「強化イメージ」に変更。早見表も同じ。
「元画像」は「枠ナシ」として広角端と望遠端のみの掲載とした。DLO適用のものは広角端のみ。
解説部分の文言も修正した。ついでに35mmを追加し、本文もあわせて修正した。