『東芝 MQ04ABB400R』 ◇厚切りHDD(15mm)
Why Japanese people!? ポータブルHDDにしては厚すぎるだろ!
■東芝 MQ04ABB400R Refurbished
・ 容量 : 4,000GB
・ 回転数 : 5400rpm
・ サイズ : 2.5inch、15mm厚
・ 接続 : SATA
・ 製造 : 2020,03,04 フィリピン産
・ RMA : -- (販売店による15日間返品保証付き)
PREMIUM STAGE PayPayモール店 にて、2021,05,02注文⇒2021,05,03発送⇒2021,05,04受取。
本体11,400円+送料無料。新品リファービッシュ品。
東芝製・MQ04シリーズの4TBモデルです。厚みが15mmあるので1TB×4プラッターかな?
製品情報やスペックシートについては見当たらないものの、流通量はそこそこある模様です。
厚みの関係で少々扱いづらいものの、2.5inchHDDであるため5Vのみの給電で動作し、
3.5inchHDDよりはるかに低消費電力であるという特徴があります。
Amazonには15mmと知らずに買ってしまった人の悲痛なコメントもありますが・・・。
この手の厚みがあるタイプの2.5inchHDDはそこそこ昔からあると思うんですが、
基本的にノートパソコンなどの内蔵HDDとして使うことはできないという点に注意が必要です。
不慣れな人にとっては罠と化してしまう、罪深きHDDなのだ・・・。
そのうえHDDケースも9.5mm/7mm専用に作られていることが多いため、
12.5mm/15mmの2.5inchHDDを使用する場合は、マウンタを介してデスクトップPCに搭載するか、
対応するHDDケースを用意して組み合わせる必要があります。( だから15mmは人気がない )
今回は Yottamaster・D25-Mini-II というHDDケースと組み合わせて使用します。
今回入手した個体は 「 リファービッシュ品 」 と呼ばれる、故障品を修理して再出荷したものになります。
HDD製造各社でこの制度が設けられており、一般的にはRMAの申請で入手することが多いかと思いますが、
東芝のバルクHDDには基本的にRMAが付かないため、割とレアな感じがします。
この商品を取り扱っている 「 PREMIUM STAGE 」 はMARSHALの直販ショップであり、
公式サイトによればパッケージ品の東芝製HDDもかなり取り扱っているようなので、
おそらくは東芝の代理店的な役割を果たしていて不良品の対応も行っているんでしょう。
( もちろん証拠はありませんが・・・ )
手持ちのリファービッシュ品としては他にST3000DM001とHDN728080ALE604があります。
どれもケーシングもしくはラベルに文字が追加されるので、ちょっとしたレアモノになります。
今回のMQ04ABB400のスペックシートは検索しても見つかりませんでしたが、
旧モデルと思われるMQ03ABBxxxのスペックシートと製品ページは見つかりました。
製品ページについては公式サイトのリニューアルで既に削除済みの模様です。(リンク先は保存されたページ)
・ 「 Product Overview (117KB) 」
・ 「 MQ03ABB*** Series | 東芝 半導体&ストレージ製品 」 (InternetArchive)
MQ03シリーズはキャッシュ容量から察するに、CMR採用で750GBプラッター×4枚です。
MQ04シリーズは厚さに関わらずSMR採用なので、MQ03の方が良いと感じる人もいるでしょう。
なお、MQ03シリーズに7mm/9.5mmモデルはラインナップされていないようです。*1
そして知らないうちに東芝自身がSMR技術について解説するページを作っていたようです↓
基本的には各サイトがすでに出している解説と同じような内容だと思います。
3.5inchではDT02シリーズ、2.5inchではMQ04シリーズがSMR採用とされています。
DT02もMQ04もメディアキャッシュの効きは強烈なので見かけ上はSMR最速でしょう。
DT02の記事も見たい、見たくない?(ステマ)
・ 「 『東芝 DT02ABA600』 ◇長寿の予感? 東芝製・新型6TB - UAP14475 のブログⅢ 」
ところで、DT01シリーズはウワサによればHGSTのDeskstar 7K1000.Dがベースらしいです。
自作PCに最初に導入したHDDがコレだったなぁ・・・と。1TBプラッター×1枚の7200rpmで当時は速かった。
今でもアレの姉妹機が流通してるということはやっぱり傑作HDD間違いなし。
■S.M.A.R.T.情報
新品なので使用時間0時間。いやー新車は良いですね。
S.M.A.R.T.情報はMQ04ABD200などMQ04シリーズでそう変わりはない模様です。
しかし珍しい事に型番が MQ04ABB400 ではなく、MQ04ABB400R と検出されています。
普通はRMA品でもOS上からは通常品と同じに見えることが多いと思います。
なんだか所有欲が刺激される仕様です。コレクターズアイテムに最適。
■ベンチマーク
・ 左 : 最外周の1.5GB部分でテストした結果(一般的に最高速が出る)
・ 右 : 最内周の1.5GB部分でテストした結果(一般的に最低速が出る)
5400rpmの2.5inchHDDなので予想通りの結果になっています。
MQ04シリーズはSMR採用かつメディアキャッシュ *2 を大胆に使用していくスタイルのようで、
外周側でも内周側でも書き込み速度が変わりません。
つまりプラッタの一番外側にメディアキャッシュ領域が確保されているんですね。
なお、今回使用したHDDケースはコントローラーチップにVIA・VL716を採用しているため、
JMicron・JMS578などを採用するHDDケースで測った場合と若干異なる結果になっている可能性があります。
VL716採用のものは割と珍しいような気がするので一応注記しておきます。*3
また、使用したUSB3.1ケーブル(5Gbpsまで)は2mの長尺です。
■厚み比較
・ 上 : 東芝 MQ04ABB400R ・・・ 15mm
・ 中 : 東芝 MQ04ABD200 ・・・ 9.5mm
・ 下 : 東芝 MQ04ABF100 ・・・ 7mm
こうやって比べると明らかに厚いことが分かるかと思います。
コネクターの周りだけ9.5mm風なので、横から見るとキャンピングカーかボンネットバスのような趣があります。
・ 左 : 東芝 MQ04ABF100 ・・・ 7mm
・ 中 : 東芝 MQ04ABD200 ・・・ 9.5mm
・ 右 : 東芝 MQ04ABB400R ・・・ 15mm
今度は横に並べてみました。
MQ04シリーズのラインナップは7mm/9.5mm/15mmと揃っています。
そしていつの間にか手元に全部集まってしまったんですね。
さらにMQ01ACF500まであるという。東芝大好き人間かな?
ところでこのHDD、裏面から見るとスピンドルモーターの軸がかなり引っ込んでいます。
気になってMQ04ABD200を裏返してみたりしましたが、MQ04ABB400Rほどは引っ込んでいませんでした。
それだけ15mm厚のスピンドルモーターは軸が長いということなんでしょうかね?
と、いうことで、MQ04ABB400Rでした。
Seagateからは5TB、WDからも4TBまでの15mm厚HDDが発売されているようなのですが、
実際にはなかなか取り扱いが少ないようなので、簡単に入手できる15mm厚HDDはMQ04ABB400だけでしょう。
厚みの関係で少々扱いずらいものの、安くて取り回しやすいHDDでもあります。
とりあえず、これから1ヶ月くらいは電源を入れっぱなしにして初期不良が出ないかチェックします。
まあそもそも返品期間が15日しかないので、短命であっても文句は言えないんですが・・・
いやそれにしても15mmはなかなかボリューミーですね・・・
いっそのことさらに厚くして30mm厚で8プラッターとか出してみてほしいなぁと。大容量間違いなしですよ。
ただ、3.5inchHDDでも厚みは25.6mmまでなので30mmになると厚切りどころかビッグマックと化しますね。
ビルが高層化するみたいにHDDも縦に伸びるんでしょうか?
■画像保管庫 (※予告なく変更する可能性があります)
・ 「 東芝・MQ04ABB400R - UAP14475 の画像資料庫 」
■撮影機材
・ Canon IXY DIGITAL 50
ポータブルSSDは超高速で耐衝撃性も高いものの、4TB(TLC)なら時価4万円といったところです。
その点、ポータブルHDDなら時価1万5000円程度で4TBが手に入ります。半額以下です。
やっぱり私はまだHDDをやめられそうにありません。
*1:7mmのHDDとしてはMQ01ABFxxx(5400rpm)とMQ01ACFxxx(7200rpm)が、9.5mmのHDDとしてはMQ01ABDxxxがそれぞれ販売されていた。また、MQ01シリーズにはSSHD仕様の7mm/9.5mmモデルがある。MQ02シリーズは7mm/9.5mmでSSHDのみラインナップしている。MQ02シリーズはMQ01シリーズのNANDフラッシュをSLCからMLCに変更したようなもの。
*2:SMR採用HDDにみられる、書き込みデータを一時的に保存しておく磁気ディスク上の領域のこと。この領域に書き込まれたデータはアイドル時に本来のセクタに書き直される。メディアキャッシュは磁気ディスク上にあるため、電源を切っても消えることはない・・・はずである。