【修理?】串刺しのMP5K(ファルコントーイ製電動ガン) Part.3
今回は”不動ジャンク”状態から少なくとも”動くジャンク”状態まで復帰させたいと思います。
現状としては・・・
① セフティ解除後にトリガーを引いても全く動かない
② ガスピストン部分の電池5本を替えても変化なし
うーん・・・まさに不動。何も分かりませんね。
メカボックスはコチラ↓
メカボックスは両脇の六角穴付ボルト2本で本体に留められています。
メカボックスを開ける場合は、左側5本、右側2本(モーター近く)のプラスネジを外します。
( 右側のプラスネジはモーターを外す場合のみ外す必要あり )
TOP製なのでマルイとはちょっと違う構造をしているようです。
ギアはもちろん外装やタペットプレートまで全部金属っぽいのでフルメタルメカボックスということでしょうかね。
下手すれば20年モノのはずですが、見た感じジャバラもピストンもギアも破損はないようです。
これはもしや意外に戦闘力高い系・・・?
モーターは 「 マブチモーター FS-390PH 」 というDC12Vモーターでした。中国製。
いかにも古いモーターな感じが出てますが、とりあえず回りはするようです。3Vで回りました。
ギアにも問題はなさそうです。グリスもまだ残ってます。シムはどのギアも左右1枚ずつでした。
なおマルイ等とは違い、ベベルギアではなくクラウンギアを使うためモーター位置調整はしません。
モーター良し、ギア良し、となるとスイッチかな? ということでスイッチ↓
・ 左 : 表面
・ 右 : ウラ面
なんだこれは・・・たまげたなぁ(驚嘆)
メカボックス右側面のプラスネジ2本で留まってるようです。
ただし、分解時にトリガースプリング(トリガー左側)が飛ぶので注意が必要です。
あらかじめ外しておきましょう。
銅製か真鍮製かのネジが電池のマイナス極と繋がる端子(写真左)になっているようです。
このネジの頭にスイッチ板が接触すると通電してモーターが回ります。
トリガーが戻るとモーターのマイナス極が電池のプラス極と繋がる端子(写真右)に接触し、
モーターの両極ともがプラスになって停止します。(この機能いる?)
電池のマイナス極と繋がるプラスネジ(写真左)が締めすぎ・・・のような気がしたので軽く緩めました。
スイッチ板がしっかり当たるようになりましたが、効果のほどは不明です。
ハンダにクラックなどはなく、特に問題はないように見えます。
スイッチもOK・・・でもやっぱり動きません。
んー・・・
んん?
フォアグリップが電池BOXになってました・・・(当然電池切れ)
”なんか重いよなー”とは思ってましたがまさか中身入ってるとは思いませんでしたね。
ここに2本の電池を入れるとガスピストン部分の5本と合わせて7本になり、10.5Vを発揮します。
なかなか高電圧な気がしますがモーターは12V用ですからまだ大丈夫です。
フォアグリップを分解する手順
① 内面側から、端子を留めている円筒形部品(写真右)に指を突っ込んで引っ張り出す
② 底部側から、微妙に浮いてる底部のプレートに爪を引っ掛けて外す
③ 電池ボックス左右のネジを緩めて電池を取り出す
なお、分解時に端子が外れることがありますが、押し込んであるだけなので挿しなおせばOKです。
でもやっぱり動かない・・・
ん?
あっ・・・
フロントサイトポスト下部の端子がS字になってたのは元からじゃなくて変形したせいだったようです。
L字にしないと長さが足りないのでトリガーまで電気が来ないわけですね。そりゃ反応しないわけだぁ・・・
L字に曲げなおしました。
分解時に変形しやすいようなので注意。
ということで以下の3点を施しまして・・・
① スイッチの端子ネジを少し緩める
② フォアグリップ内の電池を交換
③ フロントサイトポスト下部の端子を曲げなおし
youtu.be
youtu.be
一 応 は 動くようになりました!
が、残念ながらなぜかピストンとメインスプリングを組み込むと動かなくなります。
「 ウィ・・・ 」 みたいな感じで何度引いてもモーター音はするもののリリースされません。
また、トリガーを引いたままにすると電池が熱くなりました。(=回ってなくても通電はしている)
モーターが元気なさげな気もしますが、それ以上にメインスプリングがちょっと怪しいような気がします。
電動ガンを分解したのは今回が初なのでよく分からないんですが、”こんなに硬いものなのかな?” と
思うくらい硬いものが入っていて、電池式の電動ガンにこれはちょっと無理があるような気がします。
( モーターの劣化で出力が下がってるせいかもしれませんが・・・ )
そういうことで、代わりのメインスプリングとして
・ 「 CNC Production M100 」
・ 「 AOLS M70 」
以上の2つを買ってみました。
どちらもあまり有名ではないメーカーの製品とてもお求め安い価格の製品でした。
まあバネなんて誰が作っても一緒だからねしょうがないね(適当) モーターなんかも作ってるらしいゾ(情報)
そもそもこれマルイ用なんですがそれは大丈夫なんですかね・・・
あーもうめちゃくちゃだよ・・・(落胆)
東京マルイは直径14mmのメインスプリングを使っているんですが、どうやらTOPは12~13mmだったようで、
ピストンの穴に入らず使用不可、すなわち互換性なしでした。安いスプリングにしたのは正解でしたね・・・
なお硬さ的にはM70が標準スプリングより少し柔らかいような感じがしました。
ギアボックス・ピストンともに正常、スプリングはとりあえず置いておくとして、
次に考えられる原因はモーターとなります。不具合があるとすれば・・・
① コミュテーターが汚れている
② カーボンブラシが消耗している
③ モーターブローによりコイルが焼けている
どれにしたって缶を開けなきゃいけないじゃないか・・・(面倒)
電動ガンではあまり情報が出てきませんが、RC用途では上のようなトラブルが起こるそうで、
①は掃除&研磨、②は部品交換、③はコイル巻きなおし(普通はモーター交換?)、となるようです。
困ったことに、この 「 マブチモーター FS-390PH 」 というモーターは生産終了済み、
InternetArchiveを探ってみてもまるで情報が出てこない、20年は前の製品のようで、
当然同じものなんて手に入るわけもなく・・・
そこで 「 マブチモーター RS-380PH 」 とはんだごてセットを買ってみました。
( 左下のチューンモーターを組み込むとピストンクラッシュする可能性があるのでNG )
RS-380PHは型番がFS-390PHとよく似ています。
”R”はラウンドタイプ、”F”はフラットタイプ を、”8”と”9”はそれぞれハウジングの長さを表しているため、
外形が少しずつ異なってはいますが、性能面では比較的近いものになっています。
なお、このRS-380PHはRS380PH-4045であり、0.40mm45ターンと思われます。
モーター内部の部品交換が必要な場合、このモーターから移植できると思います。
ただし、FS-390PHモーターはおそらく0.47mm32ターンほどと推察されるため ( ”線径の2乗×ターン数”から )、
コイル部分をRS-380PH-4045から移植すると出力特性が高回転型に変化すると思われます。
なお、FS-390PHモーターの情報はコチラを参考にしました。
・ 参考 : https://andruha.stormway.ru/models/mabuchi/MABUCHI%20FS-390ph.htm
ピニオンギアプーラー(ピニオンリムーバー)が届き次第、モーターのチェックをしたいと思います。
正直ペンチでも抜けると思うんですが、貴重なオリジナル部品を破壊するとマズいので慎重に行きます。
■余談
メカボックスは本体に取り付けたままでも開けることができます。
モーター部分のネジを留める際、モーターを軽く押し上げるようにするとうまくネジ穴が合います。
■撮影機材
・ Apple iPhone SE
スプリング付けてなくてあの回転数はモーターだろう、とスプリングを調べる前から察してました・・・
マルイのスタンダード電動ガンなら3.9kgfほどで最大までピストンを後退させられるようです。
ギア比は18:1ですから、モーターは0.217kgfのトルクで回転する必要があり、
また連射速度が900発/分(M16など)なら、16,200rpmの回転数が必要です。
もちろん必ずしもマルイ仕様と同等とは限らないのであくまで参考程度ですが・・・
ただ、モーターの最大効率が0.2kgfくらいの負荷で発揮されそうなので可能性はあると思います。
( RS-380PH-4045は6Vで118g/cm2が最大効率、電圧に比例するので10.5Vで207g/cm2程度と思います )