E-PL6のRAW現像で色収差補正をする件① Panasonic12-32mm
言うは易し、RAWは難し
Olympus PEN Lite E-PL6。
このモデルまでのPEN(TruePicVIまでのボディ)には倍率色収差補正の機能がありません。*1
そのため撮影結果がどうしてもE-M1(TruePicVII搭載)などに比べて見劣りしてしまい、
せっかくのコンパクトボディなのにどこにも持ち出せずにいました。
しかし、純正のRAW現像ソフト「OM Workspace」を使えば後処理で倍率色収差を補正できます。
そこで今回、レンズごと・焦点距離ごとの補正値を探って、今後E-PL6で撮影をした際に
サクサクッと色収差を取り除けるようにしておこうと考えたわけです。
実はこの検証は以前にも行っていたんですが、その時なんとなく・・・
同じ画像内でも場所によって最適な補正値が違うような気がする
という点が気になっていたので今回はその検証も含んでいます。
( これの検証がめんどくさかったから今日の今日までE-PL6を放置していたんですね・・・ )
で、今回は「Panasonic LUMIX 12-32mm F3.5-5.6」を取り付けて検証してみました。
解像度検証用のチャート図を液晶画面に映し、これをカメラで撮影してサンプルとしています。
↑ 使用したチャート図(オリジナル)、1920x1080pxの画面で全画面表示すると等倍になる(はず)。
Panasonic LUMIX 12-32mm F3.5-5.6 @32mm、色収差補正なし | |
---|---|
左上 | 右上 |
左下 | 右下 |
補正していない状態では著しいパープルフリンジ(倍率色収差)を生じるレンズです。
これをOMWで色収差補正してみます。まずは右上の隅を見ながら補正しました。
Panasonic LUMIX 12-32mm F3.5-5.6 @32mm、色収差補正 R/C+20 B/Y+80、歪み補正自動 | |
---|---|
左上 | 右上(ここを見ながら補正) |
左下 | 右下 |
右上はもちろんバッチリ補正できています。
・・・が、左下を見ると補正しきれていないことが分かります。
では逆に左下の隅を見ながら補正するとどうなるでしょう?
Panasonic LUMIX 12-32mm F3.5-5.6 @32mm、色収差補正 R/C+0 B/Y+40、歪み補正自動 | |
---|---|
左上 | 右上 |
左下(ここを見ながら補正) | 右下 |
今度は左下がバッチリ補正できた一方で、右上が補正しきれなくなっています。
これがどういうことなのか、私には推測しかできませんが・・・
これはきっと、光軸ズレであるだろう、と思います。
↑ イメージ図
倍率色収差というのは画像の中央から離れるほど大きく表れるものですが、
これは「センサーの中央」ではなく「レンズの光軸」から離れるほど大きくなる、というものです(たぶん)。
一方、色収差補正のデジタル処理は(おそらく)光軸がどこにあるとかは関係なく、
撮影結果の中央(=センサーの中央)からの距離で等しく加工されてしまうため、
光軸がセンサー中央からズレているとその分だけ補正効果までズレてしまう・・・ということだと思います。
ともあれ日常的なスナップ写真の編集でいちいち補正値を探していたら大変なので、
今回撮影したサンプルの四隅それぞれで最適な補正値を探り、その平均値に近い値を割り出して、
今後撮影した写真を一律に補正するようにしたいと思います。
焦点距離 | 左上で補正した場合 | 右上で補正した場合 |
---|---|---|
左下で補正した場合 | 右下で補正した場合 | |
12mm | R/C-10 B/Y+100 | R/C+0 B/Y+100以上 |
R/C-20 B/Y+80 | R/C+0 B/Y+100以上 | |
14mm | R/C-10 B/Y+90 | R/C+0 B/Y+100以上 |
R/C-10 B/Y+80 | R/C+0 B/Y+100 | |
18mm | R/C-10 B/Y+80 | R/C+10 B/Y+100以上 |
R/C-20 B/Y+50 | R/C+0 B/Y+100 | |
25mm | R/C+0 B/Y+70 | R/C+20 B/Y+80 |
R/C-10 B/Y+40 | R/C+20 B/Y+70 | |
32mm | R/C+0 B/Y+60 | R/C+20 B/Y+80 |
R/C+0 B/Y+40 | R/C+10 B/Y+60 |
これ全部探るの結構めんどくさい作業でしたよ・・・(疲労)
上の検証結果から、各焦点距離での補正値を平均したうえで大まかな数値(10の倍数)にしてみました。
これで今後撮影した写真はサクサク処理できるようになると思われます。たぶん。
焦点距離 | 補正値 |
---|---|
12mm | R/C-10 B/Y+100 |
14mm | R/C+0 B/Y+100 |
18mm | R/C+0 B/Y+90 |
25mm | R/C+10 B/Y+70 |
32mm | R/C+10 B/Y+70 |
まあだいたい合ってれば実用上は問題ないでしょうからね。
Blueのズレがかなりひどいので12mm/14mmでは補正の上限一杯まで使う必要があるようです。
今度、どこかにお出かけにでも行って、実際に撮った写真でトライしてみたいと思います。
問題ないようだったら他のレンズの補正値も全部調べなきゃ・・・(使命感)
■撮影機材
・ SONY α NEX-6 + SIGMA30mm(A013) ・・・ E-PL6を撮影
・ Olympus PEN Lite E-PL6 + Panasonic12-32mm ・・・ 倍率色収差の検証に使用
チャート図全体を写した写真(4608x3072px)はGIMP2.8にてJPEG品質50、YUV422で圧縮しています。
これでE-PL6からE-PL7という小幅すぎる買い替えをしなくていいなら苦労の甲斐はあるよね・・・?
E-M1は優秀だけど高価だしそこそこ大きいからE-PL6も活用していきたいです。
■加筆・修正 2023,10,25 23:22
第二弾を出したのでタイトルに「① Panasonic12-32mm」を付加。
チャート図全体の写真の圧縮について撮影機材の部分に追記。