―――――人間はオペアンプを"聴き分ける"ことができるのか?―――――
オーディオ機器の一つであるヘッドホンアンプには 「 オペアンプ 」 が搭載されている。
オペアンプは信号を増幅する電子部品である。オーディオ用途に限らず広く用いられるものであるという。
しかし、オペアンプにはいくつもの製品が存在し、モノによって価格も性能もさまざまである。
ウワサによるとオペアンプを交換すると音質や音の傾向が変わるのだという―――
先日手に入れた PRODIGY CUBE はオペアンプ交換に対応したアンプ内蔵USB-DACである。
↑ PRODIGY CUBE の内部。LPFは(たぶん)パッシブ。右は標準搭載のOPA2134PA。
そこで今回、いくつかのオペアンプを購入して聴き比べを行うことにした。
人間は耳で電子部品を評価することができるのか・・・オーディオマニアの挑戦が今始まる。
( ※なお、財源不足につきMUSES02等の高級品は遠慮している。本当は欲しかったのだが・・・ )
と、いうことで今回は秋月電子通商というサイトでいくつか面白そうなものを買ってみました。
モノによって値段が数十円~数千円と幅広く設定されているので、値段を見ながら選びました。
また、1回路のオペアンプをデュアルで搭載するための部品も購入しています。
割とサイキョーなマシンを作れるらしいんですが大きさが気になるところなので・・・
( 型番の部分は販売ページにリンクしています )
単価 | 入力段 *1 | 製品名 | コメント |
---|---|---|---|
20円 | バイ ポーラ | HTC LM358N |
たぶん一番安い2回路入り汎用オペアンプ。
電圧利得は100dbだがTHDは0.02%とあまりよろしくない模様。 これで音質に変化がないならもはや何使ってもOKだろう。 逆にどんな音がするのか楽しみである。 |
100円 | CMOS | JRC NJU7032D |
汎用オペアンプ。
CMOSだからかVioもCMRもSVRもかなりガバガバな模様。 100円ワンコインは安いのか高いのか・・・ 価格帯ごとの音質を見たい(聴きたい)ところ。 |
540円 | バイ ポーラ | Linear Technology LT1112CN8 |
汎用オペアンプ。
電圧利得は134dbもある一方、スルーレートは0.3V/μsしかない。 音質への影響が気になるところ。 |
600円 | JFET | 秋月電子通商 OPA2140 (DIP8化キット) |
汎用オペアンプだがオーディオに良さそうな性能。
THD+Nは驚異の-126db。本当に600円で良いのだろうか? 出力±0.35Vなんですがそれは大丈夫なんですかね・・・(お察し) なお、このキットは一部を自分ではんだ付けする必要がある。 |
700円 | バイ ポーラ | Linear Technology LT1364CN8 |
汎用オペアンプ。
スルーレートは1000V/μsもあるが電圧利得は79dbしかない。 LT1112CN8とちょうど逆の特性であるため比較してみたいところ。 |
2,680円 | FET | 秋月電子通商 OPA827 (x2) (DIP8化完成品) |
汎用オペアンプだがオーディオに良さそう。高級品である。
1回路であるOPA827を2つ搭載することでステレオに対応している。 THD+Nは-128dbで・・・いやもうとにかくサイキョーだ!! なお、こちらは完成品だがキット品(要組立)もあるので注意。 |
単価 | 入力段 | 製品名 | コメント |
40円 | バイ ポーラ | JRC NJM741D |
汎用オペアンプ。1回路。計測制御用に良いらしい。
電圧利得110db、スルーレート0.5V/μs。値段が魅力的。 1回路しか入っていないので2つ購入している。 一緒に買ったDUAL-DIP化基盤でステレオに対応させる予定。 PRODIGY CUBE のLPFに干渉しそうなのでかさ増し用に DIP8ソケットを10個も買ってみた。1つで3mmは背が伸びる。 このセットは搭載実験用なので最低限のものでしかないが、 上手くいったら上等な1回路オペアンプを買うかもしれない。 ところで左右で異なるオペアンプを搭載したらどうなるのだろう? |
800円 | -- | 秋月電子通商 DUAL-DIP化基盤 コンデンサ付き 完成品 | |
15円 | -- | Neltron Industrial DIP8ソケット 丸ピン |
と、まあ手当たり次第に買ってみました。モノは試しってことで。
現状ではスペックシートのどの辺の値がどう影響するのか全く分かっていないので、
どんな特性のオペアンプならどんな音の変化を起こすのか、というところを手探りで調べていきたいと思います。
まあそもそも音に知覚できるだけの変化があるのかが不明ですが・・・。
バイポーラ、FET、CMOSで違ったりしたら面白いですがねー。
データシートを見る限りではCMOS君だけ性能が(お察し)だったのでやはり電源用なのでは、と。
オーディオ向けオペアンプでCMOS使ってるモデルなんてあるんですかね・・・。
ところがIC引き抜き工具を買い忘れていることに気が付きました。
「 Amazon | エンジニア IC抜き SS-08 | DIY・工具・ガーデン 」
・ https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000TGLSVK/
なんかやけに上等なものを買ってしまいました・・・。(およそ1,200円)
まあ初心者が満足な道具も持たずに作業したら事故るでしょうし、必要な投資ということで。
■撮影機材
・ Canon IXY DIGITAL 50
ちなみにWM8776のDAC出力はAVDD=5Vのとき0dbFSで1Vrmsだそうです。
これを可変抵抗器であるアナログボリュームで絞ってヘッドホンバッファ(UGB)へ送ります。
例の交換可能なオペアンプが活躍するのはこのヘッドホンバッファの後段になります。
*1:トランジスタの種類によって特性に違いがあるらしい。詳しくは次のリンクを参照。https://www.indexpro.co.jp/article/detail/11/8