KSC・エクセレントエンジン論 (月曜6限)
タイトルが遊び放題ですが内容は真面目なものです。
なおこの記事は単発です。(福岡大学の6限には教職課程が多い印象)
ブローバックエンジンの資料として、
『 WILL --- Noob gunsmith's workshop 』
コチラのサイトを大いに参考にさせてもらっているのですが、
このKSC・エクセレントエンジンの説明に理解できない部分があり、
これまで頭を抱えて来たんですが、今日になってハッと気が付いたのでここに書いておきます。
■長大なピストン
( モデルはMk.23のエクセレントエンジン )
機械式エンジンならマグナ・ブローバックだってそうですが、
一方でここまで長大なピストンを持つのはKSCだけです。
それはなぜか?
「 リアルライブショートリコイル 」 。 (*1)
ガス流入中のシリンダー(マグナの場合はピストン)は、ノズルラバーと密着し続けなくてはなりません。
しかし、リアルライブショートリコイルでは、アウターバレルに押される形で
スライド全体(=チェンバーに接する部分を含む)が後退する必要があります。
これを実現するにはシリンダーとチェンバーに接する部分を切り離さないといけないんですよね。
チェンバーに接する部分はブリーチ(=スライド後部)に固定されており、
ショートリコイル時はインナーバレルに押され、あるいはスライドに引っ張られて一緒に後退します。
また、発射時にピストンが動作することから、不完全なプレシュートであることが分かります。
つまり、WAの特許に抵触しないのです。
その後の動作は他のガスガンと同じです。
■もしシリンダーがBB弾を押していたら・・・
この通り、シリンダーがインナーバレルに押されてしまってズレます。
KSCにもシリンダーでBB弾を押す機種(G18Cなど)は存在しますが、
少なくともG18Cは、リアルライブショートリコイル非搭載となっています。
■KSC・エクセレントエンジンの特徴
●利点
・ リアルライブショートリコイルを実現できる
・ 機械式エンジンながらマグナ・ブローバックの特許を回避
・ シリンダーを除けば金属多用のためエンジンが堅牢 (*2)
●欠点
・ シリンダーを貫通するピストンの影響でシリンダー容量が小さい
・ シリンダーとピストンの接点が前後2ヶ所あり、若干動作が渋い
・ 金属製ピストンが排莢口から見えてしまい気になりやすい。
■システム7へ
このエクセレントエンジンは、のちにハードキック/05ハードキックにまで発展します。
しかし、その後に開発され主流となった、システム7/システム7-TWOは構造が大きく異なり、
システム7/システム7-TWOでは、基本的にリアルライブショートリコイルも行いません。
もともと、KSCには負圧式のロングレンジエンジン(*3)が存在し、
最初期のMk.23のように、リアルライブショートリコイルと共存することができます。
しかし、KSCはロングレンジへ戻るわけでもなく、負圧式の新型・システム7を開発したのです。
システム7ではシリンダーでBB弾を押す構造(=ピストンが貫通していない)をとっているため、
余計な構造物がなく、シリンダー直径が同じでもシリンダー容量は大きくなります。
これによってより強力なキック力を生み出すことが可能になっているのです。
やはり時代はギミックよりもブローバックなのでしょうか?
*1 ・・・ リアルライブショートリコイル
アウターバレル内にインナーバレルが完全に内包されているというもの。
普通、トイガンのインナーバレルはそれ自体がフレームと結合していて、
アウターバレルは後退しても、インナーバレルは動かない。
銃口を覗き込み、ホールドオープン時にスライド閉鎖時よりも
インナーバレルが銃口側へ移動している場合は非搭載、変化していない場合は搭載。
*2 ・・・ エンジンの堅牢性
一般に、WAの矢羽根や負圧式のプラグはプラスティックで作られる。
普通は壊れないと思うが、私はKSC・G18Cのプラグを実際に折損させている。
エクセレントエンジンはインナーピストンもピストンも金属製の円筒形であり、
比較的壊れにくいことが期待される。ただしシリンダーはプラスティックなので無理はできない。
なお、サードパーティー製品やメーカー製品でもモノによっては金属多用となっている場合がある。
矢羽根やプラグは動作部品なので人によっては金属化することもあるようだ。
*3 ・・・ ロングレンジエンジン
エクセレントエンジンとの違いは機械式か負圧式か、という程度で、
Mk.23の場合はインナーピストンをプラグに変更した程度の差しかない。
ピストンがシリンダーを貫く構造もエクセレント同様。
なおこの記事は単発です。(福岡大学の6限には教職課程が多い印象)
ブローバックエンジンの資料として、
『 WILL --- Noob gunsmith's workshop 』
コチラのサイトを大いに参考にさせてもらっているのですが、
このKSC・エクセレントエンジンの説明に理解できない部分があり、
これまで頭を抱えて来たんですが、今日になってハッと気が付いたのでここに書いておきます。
■長大なピストン
( モデルはMk.23のエクセレントエンジン )
機械式エンジンならマグナ・ブローバックだってそうですが、
一方でここまで長大なピストンを持つのはKSCだけです。
それはなぜか?
「 リアルライブショートリコイル 」 。 (*1)
ガス流入中のシリンダー(マグナの場合はピストン)は、ノズルラバーと密着し続けなくてはなりません。
しかし、リアルライブショートリコイルでは、アウターバレルに押される形で
スライド全体(=チェンバーに接する部分を含む)が後退する必要があります。
これを実現するにはシリンダーとチェンバーに接する部分を切り離さないといけないんですよね。
チェンバーに接する部分はブリーチ(=スライド後部)に固定されており、
ショートリコイル時はインナーバレルに押され、あるいはスライドに引っ張られて一緒に後退します。
また、発射時にピストンが動作することから、不完全なプレシュートであることが分かります。
つまり、WAの特許に抵触しないのです。
その後の動作は他のガスガンと同じです。
■もしシリンダーがBB弾を押していたら・・・
この通り、シリンダーがインナーバレルに押されてしまってズレます。
KSCにもシリンダーでBB弾を押す機種(G18Cなど)は存在しますが、
少なくともG18Cは、リアルライブショートリコイル非搭載となっています。
■KSC・エクセレントエンジンの特徴
●利点
・ リアルライブショートリコイルを実現できる
・ 機械式エンジンながらマグナ・ブローバックの特許を回避
・ シリンダーを除けば金属多用のためエンジンが堅牢 (*2)
●欠点
・ シリンダーを貫通するピストンの影響でシリンダー容量が小さい
・ シリンダーとピストンの接点が前後2ヶ所あり、若干動作が渋い
・ 金属製ピストンが排莢口から見えてしまい気になりやすい。
■システム7へ
このエクセレントエンジンは、のちにハードキック/05ハードキックにまで発展します。
しかし、その後に開発され主流となった、システム7/システム7-TWOは構造が大きく異なり、
システム7/システム7-TWOでは、基本的にリアルライブショートリコイルも行いません。
もともと、KSCには負圧式のロングレンジエンジン(*3)が存在し、
最初期のMk.23のように、リアルライブショートリコイルと共存することができます。
しかし、KSCはロングレンジへ戻るわけでもなく、負圧式の新型・システム7を開発したのです。
システム7ではシリンダーでBB弾を押す構造(=ピストンが貫通していない)をとっているため、
余計な構造物がなく、シリンダー直径が同じでもシリンダー容量は大きくなります。
これによってより強力なキック力を生み出すことが可能になっているのです。
やはり時代はギミックよりもブローバックなのでしょうか?
*1 ・・・ リアルライブショートリコイル
アウターバレル内にインナーバレルが完全に内包されているというもの。
普通、トイガンのインナーバレルはそれ自体がフレームと結合していて、
アウターバレルは後退しても、インナーバレルは動かない。
銃口を覗き込み、ホールドオープン時にスライド閉鎖時よりも
インナーバレルが銃口側へ移動している場合は非搭載、変化していない場合は搭載。
*2 ・・・ エンジンの堅牢性
一般に、WAの矢羽根や負圧式のプラグはプラスティックで作られる。
普通は壊れないと思うが、私はKSC・G18Cのプラグを実際に折損させている。
エクセレントエンジンはインナーピストンもピストンも金属製の円筒形であり、
比較的壊れにくいことが期待される。ただしシリンダーはプラスティックなので無理はできない。
なお、サードパーティー製品やメーカー製品でもモノによっては金属多用となっている場合がある。
矢羽根やプラグは動作部品なので人によっては金属化することもあるようだ。
*3 ・・・ ロングレンジエンジン
エクセレントエンジンとの違いは機械式か負圧式か、という程度で、
Mk.23の場合はインナーピストンをプラグに変更した程度の差しかない。
ピストンがシリンダーを貫く構造もエクセレント同様。