分解時に撮っておいた、発射機構の観察資料です。
■全体像
①BB弾の発射
トリガーを引き、ハンマーを落とすと、まずアクションロッドLが押されます。
アクションロッドLは放出バルブへ繋がっており、放出バルブを開放すると、
ボルトまで伸びる発射ガスルートを通してガスが送り込まれます。
②BB弾の発射完了
アクションロッドLは、ある程度前進すると傾斜面に沿って下方向へ外れ始めます。
最終的には放出バルブの頭から滑り落ち、ガスの放出が停止ます。
これによって、2wayかつ1段トリガーのプレシュートを実現しているわけです。
アクションロッドを介さずにバルブを叩きかつプレシュートにするなら、
時間差をつけるためにハンマーが2つ必要で、落ちるタイミングが違うために2段引きトリガーになります。
ただし、アクションロッドを仕込むにはバルブの後ろに十分なスペースが必要で、
バルブを2つ叩くためにハンマースプリングをいくらか硬くする必要があります。
③ブローバック
アクションロッドLがバルブから離れてもハンマーは前進し続け、次にアクションロッドRを押します。
アクションロッドRの移動距離はアクションロッドLに比べて短くなっているほか、
前進するとガスカットレバーが開放状態を維持するようになっているので、
ブローバックが完了するまで開きっぱなしになります。
ガスカットレバーはボルトの後退によって押し下げられ、
バルブが戻ると同時にアクションロッドRもバルブに押されて後退します。
ボルトが後退しきれずガスが全部出てしまう、という症状は
ブローバックのパワーが各部の抵抗(主にガスシリンダー)に負けているか、
ブローバック用ガスルートのどこかからガス漏れしていることが考えられます。
またガスの圧力が下がる低温時にも起こります。
この状態に陥った場合、オペレーティングハンドルを手で引っ張り、
ボルトを完全に後退させることでガスの放出を停止させられます。
あとは油を注したり、温度を上げたりして、正常に動作するようにします。
なお、ガスシリンダーの抵抗が大きい状態で無理やり作動させていると、
BLKガスチューブが引っこ抜けるおそれがあるので気を付けましょう。
④エキゾーストバルブの開閉
エキゾーストバルブは、ガスシリンダーのガスを抜くための部品で、
ブローバック中は閉鎖状態(上の写真の状態)になっていますが、
ブローバックが完了すると、ガスシリンダー後部がエキゾーストバルブに接触し、
シリンダー内のガスがBLKガスチューブへ向かって逆流、横穴からガスを逃がします。
これが開放状態のエキゾーストバルブ。
ボルトが前進すると再び閉鎖されます。
どの部分が前進させているのかはよく分かりませんでした。
⑤オープンレバーの動き
オープンレバーCが押されると、オープンレバーA,Bがせり上がります。
実際の作動においてオープンレバーCはクリップのマガジンフォロワーに押し上げられます。
マガジンフォロワーは最終弾がマガジンから離れると完全に上昇します。
マガジンフォロワースプリングには結構硬いスプリングが使われ、
逆にレバーCスプリングは柔らかいスプリングが使われています。
また、オープンレバーの作動によってクリップラッチも解除されます。
クリップラッチはクリップ排出後に自動で元に戻るのが理想ですが、
度々クリップラッチが解除されっぱなし(=クリップが固定できない)になることがあり、
この場合はオペレーティングハンドルを少し前に押し、クリップラッチを戻します。
■SSB(スーパーソニックバレル)の仕組み
画像中央の穴に見える銀色の球体がSSBボールです。
右側から入っているイモネジによってホップアップの強弱を調整します。
イモネジを締めると、SSBボールは上面を押されてパッキンに押し付けられます。
見た感じチャンバーパッキンとホップパッキンは一体であるようにも思えますが、
それにしては随分前方にあるような気もするので、よく分かりません。
なお、このホップアップは強くかけすぎると弾詰まりを起こすので注意しましょう。
■ボルト
ガスの噴き出し口には真鍮製カラーが叩き込まれています。
これは初期の製品を後から改修したモデルや、威力規制後間もない時期の製品にみられる特徴です。
最近の6mmモデルでは超硬インサートみたいなものが入っています。
ボルトにはコイルパネが入っており、これがロータリーボルトの動作を再現します。
それほど強力なバネではないので抵抗にはなりにくいと思われます。