UAP14475 のブログⅢ

Yahoo!ブログから引っ越してきました。パソコンとトイガンが大好物です。  暇になると艦これを始めてしまいます。とにかく秘書艦は阿武隈ちゃんで。

無線LANについて

最近になって無線LANの仕組みが気になったので調べてました。
 
 
■混線状態での通信
なぜ無線LANは混線の発生中でも通信速度を落とすだけで接続が切断されないのか・・・
その理由は衝突回避技術である「CSMA/CA」および
付加機能の「ACK」、「RTS/CTS」の活躍が大きいようです。
「CSMA/CA」、「RTS/CTS」は他の機器の通信中に発信しないようにする技術です。
 
「CSMA/CA」
まずパッシブレーダーのように発信機が使用予定の周波数が使用中でないかを調べ、
未使用である場合には少しだけ待機してから発信するというものです。
なお待機中に他の機器が通信した場合にはさらに待機します。
ただし2回目の待機時間は1回目の待機時間より短いです。
これにより他の機器の通信を妨害することなく、通信タイミングを見計らいます。
 
「ACK」
CSMA/CAは衝突回避を行いますが、それでも上手くいかない場合はあります。
そこで受信機が発信機の信号を受信した場合に返事(ACK)をするのが「SCMA/CA with ACK」です。
これにより発信機が通信の失敗・成功を感知できるようになっています。
なおACKを送信する場合のCSMA/CAの待機時間は通常よりも短く、必然的に優先権を得ています。
 
RTS/CTS
ACKは発信機が他の機器の通信を感知できる範囲にある場合には有効ですが
他の発信機が同じ周波数を使用し、他の発信機が感知範囲外にあり、
他の発信機の発信相手がこちらの発信機の発信相手が同じである場合は
他の発信機もこちらの発信機も混線を認識できないことになります。
これへの対策として発信相手(受信機)が発信を制御するというのがこのRTS/CTSです。
まず発信機がRTS(Request to Send)を送り、送信を許可する場合には
受信機がCTS(Clear to Send)を送り返し、送信を開始させます。
このRTS/CTSもACKと同じく発信時のCSMA/CAの待機時間が短く、優先されます。
衝突防止としては優秀ですがオーバーヘッドはACKより大きくなります。
 
これらの機能により無線LANは混線状態でも通信できるようになっています。
ただし他の機器の通信により発信を待機したりするので転送速度は低下します。
 
 
■複数クライアント・複数アクセスポイントの接続
同じアクセスポイントに接続するクライアントの数に関わらず
アクセスポイントが通信に使用するチャネル数は1つです。
チャンネルボンディングを使用する場合は拡張チャンネルが与えられますが
これもクライアントの数に関わらず一定です。
そのためクライアントを増やしてもチャンネルを全て占領することはありませんが
代わりに同じアクセスポイントに接続する機器が同時に通信する場合に転送速度が低下します。
 
ただし数字的に転送速度が低下するとはいえ、LANに高負荷が掛かるのはデータ転送時のみであり、
常時最高速度で転送し続けるような特殊な用途に用いるヘビーユーザーがいない限り
転送速度の低下は分かりにくいと思われます。
ストリーミング配信なら常時負荷が掛かりますが
大抵のストリーミング配信には最高速度を出すほどのビットレートがありません。
 
なおSSID(ESS-ID)が同じアクセスポイントを複数設置した場合には
ローミング」によって自動で最適なアクセスポイントへ通信を切り替えることが可能です。
ただしローミングは頻度が高すぎると再接続が頻発し、まともに使えなくなります。
ちなみにSSIDが同じアクセスポイントでもBSS-ID(MACアドレス)で識別が可能です。
 
 
■電波強度と転送速度
無線LANは電波強度の強弱により最大転送速度の増減を自動で調節します。
電波強度が低い場合には最大転送速度が下がるので混線せずとも遅くなります。
5GHzは回り込みが弱いため遮蔽物の多い場所ではこの機能がよく働くことになります。